「知り合いだから大丈夫」
「長年の付き合いだから契約書なんてなくても問題ない」
実際に、そうした形で仕事を進めている個人事業主や小規模事業者の方は少なくありません。
しかし、契約書を作成していなかったことで、後から大きなトラブルに発展するケースは非常に多くあります。
今回は、なぜ契約書が必要なのか、口約束だけではどのようなリスクがあるのかについて、行政書士の視点からわかりやすく解説します。
契約書がないと起こりやすいトラブル
「言った・言わない」の争いになる
契約書がない場合、後から最も起こりやすいのが、
「そんな話は聞いていない」
「最初にそう説明したはずだ」
という認識違いです。
たとえば、
- 修正対応は何回までか
- 追加料金が発生する条件
- 納期
- 支払時期
- 解約できる条件
などを口頭だけで決めていると、双方の理解がズレていることがあります。
取引開始時は良好な関係でも、金額や納期が関わるとトラブルになることは珍しくありません。
小規模事業者ほど契約書が重要
「大企業ではないから契約書はいらない」と思われることもありますが、むしろ個人事業主や小規模事業者ほど契約書は重要です。
大企業であれば、担当部署や社内ルールが整っていることが多いですが、小規模事業では代表者同士のやり取りだけで進むことも多く、認識違いが起きやすいためです。
また、トラブルが発生した場合、小規模事業者にとっては時間的・金銭的負担が大きくなることもあります。
契約書は「相手を疑うためのもの」ではなく、安心して取引を続けるための確認書類ともいえます。
契約書は「トラブルが起きた後」ではなく「起きる前」に作るもの
実際には、トラブルが起きてから相談を受けるケースも少なくありません。
しかし、契約内容が曖昧なままでは、後から証明することが難しくなる場合があります。
契約書を事前に作成しておくことで、
- 業務内容
- 費用
- 支払条件
- 責任範囲
- 解約条件
などを明確にでき、双方が安心して取引を進めやすくなります。
ネットのひな形だけで大丈夫?
最近では、インターネット上で契約書のひな形を簡単に入手できます。
ただし、業種や実際の取引内容に合っていないまま使用すると、必要な条項が不足していることもあります。
たとえば、
- 著作権の取り扱い
- 秘密保持
- 損害賠償
- 修正対応
- 中途解約
などは、業務内容によって重要度が大きく変わります。
「ひな形を使えば安心」というわけではなく、実際の取引内容に合わせた調整が重要です。
まとめ
契約書は、大企業だけが使う特別なものではありません。
個人事業主や小規模事業者にとっても、安心して取引を続けるための大切なツールです。
特に、継続取引や金額が大きい案件では、事前に契約内容を整理しておくことで、後のトラブル防止につながります。
当事務所では、業務内容に応じた契約書作成や、既存契約書のチェックも行っております。
契約書について不安がある方は、お気軽にご相談ください。
次回は、「ネットの契約書ひな形をそのまま使う危険性」について解説します。

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