ここまで、契約書の必要性や、業務委託契約書で注意したいポイントについて解説してきました。
今回は、少し専門的な契約書として「事業譲渡契約書」について解説します。
近年では、
- 店舗の引継ぎ
- サロンの譲渡
- 整骨院の承継
- 個人事業の売却
- 小規模M&A
など、中小事業者間でも「事業を引き継ぐ」という場面が増えています。
その際に重要になるのが、事業譲渡契約書です。
事業譲渡契約書とは?
事業譲渡契約書とは、
「どの事業を、どの条件で引き継ぐのか」
を整理する契約書です。
例えば、
- 設備
- 在庫
- 顧客情報
- ホームページ
- SNSアカウント
- 店舗内装
- 営業権
など、何を譲渡対象にするのかを明確にしていきます。
事業譲渡では、“会社そのもの”を引き継ぐわけではないため、
「何を引き継いで、何を引き継がないのか」
を細かく整理することが重要になります。
「全部まとめて譲渡」が危険なこともある
実際のご相談では、
「店舗一式を引き継ぐ」
「事業をそのまま譲る」
という形で話が進んでいるケースもあります。
ただ、事業譲渡では、
- 債務
- リース契約
- 従業員
- 許認可
- サブスク契約
などは、自動的に引き継がれるわけではありません。
そのため、
「どこまで含まれているのか」
を事業譲渡契約書で明確にしておかないと、後から認識違いにつながることがあります。
許認可は“そのまま使えない”場合がある
特に注意が必要なのが許認可です。
業種によっては、
- 飲食店営業
- 古物商
- 建設業
- 風俗営業
- 医療・施術系
など、名義変更では対応できず、新たな許可申請が必要になるケースもあります。
「店舗を引き継げばすぐ営業できる」
とは限らないため、事前確認が重要です。
SNS・ホームページ・顧客情報も確認が必要
最近は、
- LINE公式
- ホームページ
- Googleビジネスプロフィール
なども重要な事業資産になっています。
ただ、アカウントによっては譲渡が難しいケースや、管理権限の整理が必要なケースもあります。
また、顧客情報についても、個人情報保護の観点から慎重な対応が必要です。
事業譲渡契約書は「引継ぎの設計図」
事業譲渡契約書は、単なる売買契約ではありません。
- 何を引き継ぐのか
- 誰がどこまで対応するのか
- 引継ぎ後に問題が起きた場合はどうするのか
などを整理する、“引継ぎの設計図”のような役割があります。
特に中小事業者間では、知人同士や紹介で進むケースも多いため、曖昧なまま進めないことが重要です。
まとめ
事業譲渡では、
- 譲渡対象
- 債務
- 許認可
- 従業員
- SNS・顧客情報
- リース契約
など、事前に整理しておくべき項目が多くあります。
「店舗を引き継ぐだけ」と思っていても、実際には確認事項が多いため、事業譲渡契約書で整理しておくことが大切です。
当事務所では、事業譲渡契約書の作成や、引継ぎに関するご相談も承っております。
「何を確認すればよいかわからない」
「小規模な店舗譲渡でも契約書は必要?」
という場合も、お気軽にご相談ください。

No responses yet